モンスターファーム2

メーカー:テクモ ハード:PS ジャンル:育成シミュレーション


前作「モンスターファーム」はCDから様々なモンスターを再生し

育成する事によって大会を勝ち抜いて頂点を目指すという内容の 画期的なゲームであった。

特定のCDからでしか再生できないレアモンスターの存在や

育成の自由度、メモリーカード対戦などの要素はこのゲームを名作にするのに 大きく貢献した。

実際、メーカー公認大会などは大きく盛り上がり、レアモンスターの出るCDは

売上が倍増し、業界にまで影響を与えた。

無論俺もこのゲームにハマリ、このゲームの為だけに中古CDをあさったりしたクチである。

そして、そういった空気の中で改良された続編が出るというのは必然といえる出来事であった。

しかし、期待をうけて世に送り出されたその続編は「モンスターファーム2」は

あるひとつの、たったひとつだけの欠点によって一気に駄作になり果てた。

俺は悲しかった。なぜ、メーカー側はこのたった一つの、しかしあまりにも大きすぎる”改悪”を行ったのか…

当事の俺はもう何も信じられなくなりかけた。

基本的にこの2は前作よりも大きな進化をしている。

グラフィック周りが見直され、戦いの後には能力が上がる。

前作のメモリーカードからモンスターを呼び出すことも可能だ。

まぁ前作で出てきたモンスターが序盤規制されていたりアルバイトが出来ず、ポケステが事実上必須なシステムになっているという欠点があるが、

それはこれから述べる「たった一つの大きな欠点」に比べれば大事の前の小事である。

まず順を追って説明しよう。前作モンスターファームではアイテムを有効に使ってモンスターの育成を

効率よく進めることが出来る。

それはこの2でも基本的には変わっていない。

しかし、2にはアイテムに関する重大な制約がある。

なんと、今回は1ターンに使えるアイテムはたったの1個だけである!!

前作を知らない人にはよくわからないかもしれないが、

前作ではアイテムを1度に大量投与して一気に育成を進めるのは基本であった。

例えば、序盤のモンスターの忠誠度を補うためにアイテムを大量投与したり

(忠誠度が低いとなかなかモンスターがいうことを聞かず、育成がはかどらない。

すなわちターンの無駄遣いとなるわけだが、モンスターの寿命が重要な要素である

このゲームでは大変な損失である。そのため、資金の潤沢な後半はアイテムで補うのが普通である)

ドーピング(コマンドによる修行では限界が出るため必須。最強モンスターを作るためには常識)と

寿命回復(ドーピングは寿命を一気に削るため、アイテムで回復する。

ただし、寿命を上げるアイテムはかなり貴重で集めるには長時間粘り強くプレイしなければならない)を

一気に行うといったことは常識であった。

俺を含め、多くの前作ユーザーが同じ戦法で勝ち抜いてやろうと思っていたことだろう。

だが、それは許されなかった。

俺達古参ユーザーはこの伝統ある戦法を取ることを断念さざるをえなかった。

多分メーカー側はこうしたシステム変更を行ったのには訳があるのだろう。

前作の公式大会などでは比較的高い年齢層のユーザーが

時間と情報に任せて強力なモンスターを作り上げ、

(能力値オール999のモンスターばかり出ていたような)

時間や情報が絶対的に足りない小学生などの層は太刀打ちできなかったという 問題があったようで、

そういうのを何とかしたかったのだろうと思う。

(かしこさ以外は全部ドーピングで上がるし、技は合体で継承させればいいので

素材が揃っていれば1ターンで大会レベルのモンスターを作れるようだ)

そういう気持ちは分からなくもないが、だからといって基本中の異本である

「カララギマンゴー100個一気投与で忠誠度100」

「香り餅3個でノンストップ育成」

「体型をアイテムで自在に操作あるいは性格調整」

とかまでその犠牲となるのはどうか。

それに、能力値最強を否定する事が正しい事とは思えないし、

能力だけですべてが決まるのが嫌なら戦闘システムをアクション要素の強い

ものにするとかの工夫は出来なかったのだろうか?

(別にA・SLGを望んでいるわけではない。ボタン操作で回避率が上がるとか、その程度でよい)

まぁこの問題についてはとにかくいくら糾弾しても足りないのだが、

(なんたってたった一つの改悪で名作がここまで汚れたのだ)

そういう不満は他のファンも持っていたらしく

(それともポケステが事実上必須だったシステムが販売時期にそぐわなかったのか?

確かに俺もあれは辛かった)

この作品はあまり評価されることなく、前作ほどの盛り上がりもなかった。

当然といえば当然の結果である。

さて、しばらくモンスターファームシリーズはアニメ化したり 本筋以外のキャラクターを生かしたゲームなどを出していたが、

ようやくPS2で続編が発売されたらしい。

今度の作品はどうなっているのか…

素晴らしい作品になっていれば是非ともプレイしたい。


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